ロシアの侵略戦争からまもなく1年になろうとしている
2022年2月24日
突然のニュースに ただ驚き 21世紀にヨーロッパで
戦争という耳を疑いたくなるようなニュースに接するとは思いもしなかった
それまでウクライナとはどんな国なのか?
全く知識がない中で ロシアの武力行使に憤りを覚え
1日も早い終戦を願うばかりだった
しかし2023年1月現在
戦争の終結は未だ見えない
おろか益々エスカレートしているようにも観える
一体これはどういうことなのか?
なぜロシアは執拗なまでにウクライナを攻めるのか?
米英仏はじめ西側は なぜウクライナを支援するのか?
そして何よりもウクライナの人々はなぜ
屈強なまでに大国ロシアと徹底抗戦するのか?
(元々 ロシアとウクライナは同じソビエト連邦共和国の仲間ではなかったのか?)
ぼくはウクライナについて調べてみた
黒川祐次 著 「物語 ウクライナの歴史」を紐解いた
ウクライナは広大かつ肥沃な土壌に恵まれ 「ヨーロッパのパン篭」と呼ばれるほど
麦やトウモロコシをはじめとする穀物が大量に実る一大農業の楽園だ
いずこの国であろうと 人口問題はすなわち食糧問題である
このためウクライナは他国から狙われ 侵され 支配されてきた長い歴史をもつ
12世紀ごろはモンゴルに
それ以降の支配国は
オーストリア、ポーランド、トルコ、ドイツ…ロシアと変遷を辿る
ウクライナの前身は キーウ・ルーシ公国と呼ばれていた
キーウは現在もウクライナの首都名である
ルーシとは何か?
ロシアである
ドニエプル川左岸地域から派生した人々を祖先にもつモスクワ公国の前身
やがてそのモスクワ公国は キーウ方面の人々を 小ロシア人と呼び
自分たちのことを大ロシア人と呼称するようになった
(随分と「上から目線」である)
ウクライナは先述の通り 農業大国である
農民にとって土地(耕作地)は 命の次に大切なもの
他国からの支配を受け 塗炭の苦しみを経験してきた歴史の中で
武装する農民が登場する
コサックだ
(武装する農民=日本の武士を連想するが)
中世ヨーロッパでは 貴族が幅を利かせていた
国王以上にだ
例えば 立憲君主制だったオーストリアでは 国王はお飾りに過ぎず
貴族で構成される議会の決議を経なければ何もできない
その貴族の支配下にあり 悪政に苦しめられていたウクライナの人々は
国王に自衛の軍隊創設を願い出る
(表向きは外敵から国王を守り政治の安定を維持する目的だが
真の目的は貴族の理不尽な振る舞いには武力で抗戦すること)
国王は直轄の軍隊をもつことは国内外に睨みをきかせることができると
両者の思惑は一致し 軍隊創設の許可を下す
ここに コサックの歴史が始まった
コサックは他人のために命を捨てることはしない
その代わり 自分と家族を守るためなら命をかけて戦う
コサックは他人に干渉しない
その代わり 誰からも干渉を受けない
思想信条の自由を尊重する
長い間 様々な国 支配者から抑圧されてきた歴史が
斯様な心情を醸造してきたコサック
コサックの中には歴史にその名を残した英雄が何人もいるという
だが 祖国統一の夢は その後の長い時間を要しなければならなかった
その一因(と思われる)は
組織を構築し 運営することの価値観が希薄だったことが挙げられる
自分と家族が平和であればよい…
とまでは言わないが 君主(リーダー)が不在だったこと
国の統治に関する考えが未熟であったことなど…
武力による国境変更が繰り返されてきた中世ヨーロッパ
その武力衝突のピークとなった第2次世界大戦…
その後のソビエトによる支配…
ウクライナの忍耐はつづく…