正しいか、正しくないか
ぼくはずっと「この問い」に翻弄されてきた
正しさを渇望した時期もあった…
「自分は正しい」そう信じたかった
そう信じれば信じるほど
内向的になって
気がつけば自己の殻が厚くなっていった
殻は外からの攻撃の盾になってくれたが
息苦しさもあった
外の空気を吸いたくても出れない…(笑
自分しかいない殻の中の生活は
自分を見つめるしか無い生活は
段々と自己嫌悪に包まれていった
開き直るまで
どれぐらいの時間が流れたのだろう…
ぼくは自ら作った殻を壊し始めた
するとしばらくして
ぼくを見ている人が視界に入ってきた
何も言わずただ、ぼくを見ている…
ぼくに微笑みかけているようにも見えた
ぼくもほほえみ返してみた
ぼくはゆっくり立ち上がり
その人に近づいていった
その人も立ち上がり
ぼくに近づいてきた
言葉らしい言葉はなかったが
ぼくを見ている人がいるなら
なにかぼくにできることがあれば
一肌脱ごうかというような気持ちになった
もはや
正しいか、正しくないかなどということは
どうでもよくなっている
ぼくがいた