「じゃあ、イノベーションって注意しないとね。」
「うん。ポイントは、だれ目線っかってこと。」
「だれ目線?」
「そう。例えば、こんな事例もあるんだ。
最近、外食産業がコロナ禍で大打撃を受けてるよね。」
「うん。」
「そこで出てきたのが、ゴーストレストラン。」
「え?おばけでも出るの?」
「ははっ。そうかもね〜
このゴーストレストランは、客席がないんだ。」
「客席がない…ん〜…! テイクアウト専門ってこと?」
「せーかーい!
ビルのテナントに複数のレストランが入居してるんだけど
客席がない。そうつまり、テイクアウト専門店ってこと。」
「へえ〜、接客しないんだ。」
「そう。だから路面店に出店するより、賃料も安くすむ。」
「じゃあさ、リーズナブルで美味しいものが食べられるなら
嬉しいね!」
「でしょ!これも、イノベーションだと思うんだ。」
「そか、レストランって接客するのが当たり前って思ってたけど
接客しなくても、美味しい料理を食べてもらえること
を目的にするなら、Goodアイデアだよね〜。」
「そう。働く人も調理に専念できるしスキルアップできるよね。」
「そか、接客ばかりやるお仕事からシフトできるんだね。」
「そう。あと、こんな例もあるんだ。」
「なに?」
「震災で人口減少に直面している街の和菓子屋さんがいて
何度も廃業が脳裏によぎりながらも、なんとか街を元気づけたい
って思って続けていたんだ。」
「でも人口減少じゃ、お客さんも減っていくよね…。」
「そうなんだ。
でも、数年前にお店から数キロ離れたところに
『道の駅』がオープンしたんだ。」
「道の駅すき!」
「だよね〜。そこに来たお客さんが、和菓子屋さんが
出品した和菓子やお赤飯を買いに来るようになって
『美味しい』って評判になったんだ。」
「すご~い!」
「よね!お店に買いに来る人だけだと、限られているけど
『道の駅』には桁違いの不特定多数のお客さんが来るもんね。」
「うん。そのお店に行かなくても、道すがら立ち寄った道の駅で
買えるって便利だよね。」
「そうなんだ。
これもイノベーションなんだ。」
「そか。だれとだれを結びつけるかってことなんだ
…イノベーションって。」
「そう。だから『そのイノベーション、だれ目線?』て
考えることが大切。」