Innovation 2

「じゃあ、イノベーションって注意しないとね。」

「うん。ポイントは、だれ目線っかってこと。」

「だれ目線?」

「そう。例えば、こんな事例もあるんだ。

 最近、外食産業がコロナ禍で大打撃を受けてるよね。」

「うん。」

「そこで出てきたのが、ゴーストレストラン。」

「え?おばけでも出るの?」

「ははっ。そうかもね〜

 このゴーストレストランは、客席がないんだ。」

「客席がない…ん〜…! テイクアウト専門ってこと?」

「せーかーい!

 ビルのテナントに複数のレストランが入居してるんだけど

 客席がない。そうつまり、テイクアウト専門店ってこと。」

「へえ〜、接客しないんだ。」

「そう。だから路面店に出店するより、賃料も安くすむ。」

「じゃあさ、リーズナブルで美味しいものが食べられるなら

 嬉しいね!」

「でしょ!これも、イノベーションだと思うんだ。」

「そか、レストランって接客するのが当たり前って思ってたけど

 接客しなくても、美味しい料理を食べてもらえること
 
 を目的にするなら、Goodアイデアだよね〜。」

「そう。働く人も調理に専念できるしスキルアップできるよね。」

「そか、接客ばかりやるお仕事からシフトできるんだね。」

「そう。あと、こんな例もあるんだ。」

「なに?」

「震災で人口減少に直面している街の和菓子屋さんがいて

 何度も廃業が脳裏によぎりながらも、なんとか街を元気づけたい

 って思って続けていたんだ。」

「でも人口減少じゃ、お客さんも減っていくよね…。」

「そうなんだ。

 でも、数年前にお店から数キロ離れたところに

 『道の駅』がオープンしたんだ。」

「道の駅すき!」

「だよね〜。そこに来たお客さんが、和菓子屋さんが

 出品した和菓子やお赤飯を買いに来るようになって

 『美味しい』って評判になったんだ。」

「すご~い!」

「よね!お店に買いに来る人だけだと、限られているけど

 『道の駅』には桁違いの不特定多数のお客さんが来るもんね。」

「うん。そのお店に行かなくても、道すがら立ち寄った道の駅で

 買えるって便利だよね。」

「そうなんだ。

 これもイノベーションなんだ。」

「そか。だれとだれを結びつけるかってことなんだ

 …イノベーションって。」

「そう。だから『そのイノベーション、だれ目線?』て

 考えることが大切。」

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