「我々はあなたがたの謝罪と賠償を要求する」
「それは1965年に合意、解決したのでは?」
「それは前任者が勝手に合意に応じたものだ」
「勝手に?」
「そうだ」
「つまり、あなたがたの代表ではないと?」
「そうだ」
「代表でない方が交渉の場に出てきた?」
「そうだ」
「あなたたちは代表でない人を交渉に送り出すのですか?」
「…当時は色々あった…」
「なるほど、それは例えるとこういうことですか?
80年ほど前、私たちの先代たちは、あなたたちに様々な苦痛を
与えてきたかもしれない
けれども、それは私たちの先代たちがやったことで
私たちがやったわけではない
なので、私たちに謝罪や賠償を求めれても困る
だから先代たちに言ってくれ、と」
「…それは自分勝手な理論じゃないか…自分たちは関係ないと言うのか?」
「いえ、あなたたちが1965年当時のあなたたちの代表が勝手に合意した
と言うので、そのような考え方が通用するなら、私たちもそれになぞって
例えてみただけです」
「…」
「あなたたちは、私たちに過去を直視しろ、と言いますが
あなたたちも、一緒に過去を直視してみませんか?
お互いにエゴを乗り越えて…」